海から離れてるはずなのに、水が足元に。
何が何だかわからず、坂道を上に向かって歩いた。
すると、静かに追いかけてくる水。
追い掛けてくるってことは下の方は既にすっかり水没している。
霧と靄でよく見えないのだ。
坂道を上へ上へ
水も 上へ 上へ
頂上に着いた。
水はまだ上がっていく。周りに建物は無い。
少しづつ上がっていく。
首まで来た。
あさーーーーーー
「おは よう。おは よう。お はよう。」
「う う う ううん。」
「カンちゃん、朝だよ。」
「あ、 びっくりした。朝か。」
「またうなされてたよ。」
「ああ、また夢見ちゃった。今度は水の夢。この前は火の夢で、今度は水か。なんだろな。」
「もしかして予知夢?」
「親父ちゃんは、わからないの?そうゆうのは。」
「わかりません。それは人間だけが持つ能力でしゅ。」
「そうなのか。まあ、知ってるのは俺だけみたいだし。それもあって見るのかもしれないけど、毎晩毎晩参ったな。」
「かわいそうかわいそう」
「ま、しゃあない。はやく地球を救う準備をしよう。」
「そうだそうだ」
「とりあえず引越しか。」
「いえす、うい・キャンキャン」
「引越しいってもなあ。ろくに荷物無いし。 体だけで行くか。でもこのCDとレコードだけは持っていきたいな。」
「そうとうありますよ、こりゃ。こりゃこりゃ。」
「ちょっと、手で運ぶのは無理だな。 そうだ。これからどうせ足が必要になるし、車でも買いますか?中古車でも。」
「わおわおー、じかようしゃデスカイ?」
「そーです。そんな身分になれました、えっへん。では、まずは朝飯に。行っちゃいましょうユウジの店に」
「いっちゃいましょー。」
「体ひとつで。」
「かーらだひとつうううでえい♪」
ガラガラっ
「おおおおおっす!」
「おええええええっす!」
「お、お二人さん。おはようございます。元気ですね。朝から。」
「てりめーよ。」
「てりめーてりめえ」
「今日、引越しするんじゃないですか?荷物は?」
「てりめーよ。自慢じゃねえがこちとら運ぶような荷物なんかあるもんか。ぎゃはは。」
「一週間前まではビンボーでしたもんねぇ。」
「全てがこれからとゆうことです。で、あいつらは来たのか?もう。」
「あいつら?あ、女子二人ですか?」
「女子つうかババアと小娘(男みたいな)」
「来てますよ。とにかく出来るところは掃除するって上へ行きました。」
「あら、なかなか感心じゃない。」
「まあ、行くところがもう無いみたいですから。」
「そうだよな。ところで、ユウジ、お前、いい中古車屋知らないか?」
「車屋さんですか?そうですね。すぐ近くにあるザ・モーターズって店ならうちの軽トラ買ったところですけど、親切でしたよ。とにかく車好きみたいで、あれじゃ儲からないだろな。」
「いいねえ。そうゆうところ。朝飯食ったら行ってみるか。とにかく足が無くちゃ。と決まったら、めしめし。」
「しめしめ」
「朝しめですね。はいどーぞ。来ると思って準備済み〜!」
「ほーー、お前もいいカンしてるなーー。感心感心。」
「あーそれワシがゆうのに
かんしんかんしん
」
ぎゃははははははははは。
ガラガラガらああっ
「びっくりしたあっ。」
「おう、おっさんたち。来てたのか。」
「相変わらずターコ姉さんは男だねえ。」
「おはようごぜえますだ。ありがたやありがたや。」
「相変わらずトラ婆さんは、ドリフ大爆笑83もしも貧乏な旅館があったらに出て来る貧乏な婆さんみたいだねえ。」
「ながいよ。」
「ながいよながいよ。」
「掃除はどうした?」
「おう、あらかた綺麗にしておいたよ。ますます何にも無くなってガラーンとしちゃったけど。」
「ゴミとかどうしたの?」
「まとめて隅に山盛りさ。」
「すげーな。まあ後で何とかするか。じゃ、でかけるぞ。」
「どこへ?」
「もち、買い物よ。家具とか電化製品とか布団とか電気ポットとかいるじゃろが。」
「じゃろってなんじゃろ」
「まずは車を買いにいくか。急に乗るっても難しいかもしれんから、おい、ユウジ取り合えずお前の軽トラ貸せ。仕入れはもう終わったんだろ。」
「はいはい。いいですよ。ぶつけようが何しようが。お好きに=。前の駐車場に有りますから。」
「よし、それじゃ、レッツ・ゴー買い物。」
「かいものかいもの」
「ところでちょっといいか?」
「なんだいターコ姉ちゃん。」
「会社の名前はなんてんだ?決めたか?」
「あ、いけね。まだだよ。 あ、そうだ。これにしよう。株式会社ダウニング。」
「何じゃそりゃ。」
「ぎゃはは、わかる人にはわかる。略してKKダウニング。なんちゃって。」
「地球滅亡の日まで残り440日」